少子高齢化問題も人口問題も介護問題も子育て問題も、旧民法の家の制度を壊したから起きたのかもしれない

かぶとたいぞうです。

今の日本は問題が山積していますが、あらゆる問題の根本の問題は、少子高齢化だと思います。また、それから派生する、人口問題も介護問題も深刻です。せっかく子供を産んでも育てるのが困難だという子育て問題もあります。

突飛な発想かもしれませんが、それらは全て、明治憲法下の旧民法で規定されていた、家の制度が残っていたら、発生しなかったのではないかと、ふと思ったのです。

前時代的だし、時代錯誤も甚だしいですが、まぁ聞いてください。



旧民法の家の制度と家長制度

私は大学で憲法も民法も学びましたが、大日本帝国憲法(明治憲法)も旧民法も知りません。でも概要は分かります。

旧民法で規定されていた家の制度では、家長である父に権限が集中し、跡継ぎである長男が父の次に権限を持ちます。

父が死ぬと長男が家督を継ぎ、家長となります。

当時の家族

当時は日本の8割は農家でしたから、父親が死ぬと長男が田畑を全て継ぎ、残った母親の面倒をみます。

次男、三男は才覚があれば別家して何かの職に就きますが、たいていは長男を助けて農業を手伝います。次男、三男に嫁が来れば、長男、長男の嫁、母親と一緒に住むか、余裕のある家は母屋のとなりに別の家を建てて住むかもしれません。



農家

農業は朝早くから夜遅くまで土地に張り付いて仕事しますから、わざわざ遠くに住んで通う人はいません。必然的に同じ敷地内に大勢が暮らす大家族となります。

田畑を広げたり収穫を増やすには人手が要りますから、子供は宝です。小さい時は家事を手伝い、弟や妹の面倒を見て、大きくなれば労働力になります。

農家の娘

農家の娘は他の農家などに嫁ぎ、その家の家業を手伝います。その家でも労働力になりますから、健康でありさえすれば貰い手はいくらでもあります。

農家以外の家でも、事情は似ています。よろずやなど何らかの商売をしている家、鍛冶屋やたたみ屋など何かを作っている家、旅館や床屋などサービス業の家、全て同じで家族単位で家計が成り立っていたのです。

ここまでお読みになれば、もうお分かりだと思います。



結婚は必要

旧民法の家の制度では、結婚は家業を継続するのには必要なので、出会いがなければ誰かが紹介してお見合い結婚です。みんな若くして結婚します。

出会い系サイトもマッチングアプリも必要ありません。

子供は宝

子供は家業を発展させるために必要なので、家族も親戚も、周りの人も待望し、産まれたら嫁を誉めます。そしてお婆ちゃんはもとより、家族みんなで育てます。

託児所も保育園も必要ありません。



介護は当たり前

お婆ちゃんが動けなくなったら、長男はもとより、家族みんなで世話をします。特に小さい頃から面倒を見てもらった孫たちは、心配してお婆ちゃんの部屋に頻繁に様子を見に行くでしょう。

老人ホームもデイサービスも安否確認サービスも必要ありません。

旧民法下の家の制度は万全

家の制度は弊害もあるのだとは思いますが、今の日本で問題になっていることは全て解決です。

ではいったいなぜ家の制度を無くしたのか。

もちろん表向きの理由は封建的だとか、男尊女卑だとか、前近代的だとかなのでしょう。



家の制度を廃止した本当の理由

でも本当の理由は、日本が第二次世界大戦に負けたからだと思います。

勝った米国が日本に駐留して新憲法も新民法も作ったのです。

当時米国は工場中心に国を発展させ、そのために大量の工場労働者を必要としていました。工場労働者は寮や工場近くのアパートに住みます。家は必要ありません。

負けた日本は古い日本の制度を嫌い、先勝国である米国の真似をしたがりました。だから米国の考えはすんなり導入されたのだと思います。

そして核家族に

農家なんてやってるから戦争に負けたんだと、みんな農村を離れ、都会に移り住んで工場や会社に勤務し、月給をもらうようになりました。

それぞれが勤務地や交通の便利のいい場所に住んだので、家族がバラバラになり核家族化が一気に進みました。



遺産相続制度が変わって家督が無くなった

民法が変わり、相続は配偶者と子供が一定の割合で等分するようになり、家督という概念はなくなりました。

遺産相続争いも頻繁に起きるようになりました。長男は財産も農地も減って農家を続けることが困難になりました。

それらも家族がバラバラになり、核家族化した原因の一つだと思います。

家付き、カー付き、ババァ抜き

それでも長男が母親の面倒をみるという風潮だけが残ったので、当時の女性は結婚するなら長男ではなく次男がいいという人が増えました。

私が小さい頃に「家付き、カー付き、ババァ抜き」という言葉が流行り、そう言っていた女性たちが今や80歳、90歳となり、行き場を失って困っているのです。



核家族化先進国の米国はどうなったか

核家族化を早くから進めた米国はどうなったのか。

もう、かなり早い時期から、極端な貧富の差が生まれています。

お金のある人は大邸宅に住み、召し使いを何人も雇っていますから心配ありません。

まぁまぁの人は年金、財産、配当収入などの金額に応じて、高級、中級、下級の老人ホームに入ります。

お金の無い人はホームレスです。米国には路上生活者がたくさんいます。

日本も後追い

日本も今、米国の後を追って、同じ道に進んでいます。

しかし、米国と違って、少子化が進み過ぎて介護の担い手が不足していいます。

だから、今後はある程度お金があって老人ホームに入りたくても、なかなか入れない人が増えると思います。

あるいは超富裕層しか入れない老人ホームとか、逆に劣悪な環境のホームが増えるような気がします。

+++



旧民法下の家の制度を復活させたらどうか

では今からでも旧民法下の家の制度を復活させたらどうなのか。

かつて農家だった日本の8割の人々は全てサラリーマンになってしまったので、今や家業というものが残っていません。

家の制度復活は研究する価値はありそうですが、現実的には難しいような気がします。

今の人に農家ができるか

例えば北海道に新しい形のパイロットファームを作り、税制、補助などのいろいろな恩恵を与えて大家族を作ろうとしても、実際には担い手はいないでしょう。

農業は楽でないし、オシャレでもありません。そんな道を選ぶ人が、現代の若者にいるかどうか。

歳寄の戯言でした。

ごきげんよう。


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