私が高校を中退しないで済んだのは、当時の担任の先生のおかげ。感謝しています

かぶとたいぞうです。

私が子供の頃、父は私の顔を見るたびに「勉強しろ」と言いました。漫画の本を読むとひどく怒られました。

あまりにも勉強しろとしつこく言うので、むしろやる気が失せることも多かったのですが、父の期待どおりの進学校に進学しました。北海道でも屈指の進学校で、東大合格者を毎年何人も出している高校でした。

父は私の合格をすごく喜びました。



父は仕事をせず、高額の賭けマージャンばかりやる人でした。家に戻ってくるのはいつも朝でした。

高校2年に進級した春、父がいきなり私に言いました。

「うちにはお前を大学に行かせる金がないから、大学は諦めてくれ」

いきなり梯子をはずされた

いきなり梯子をはずされた気分でした。

だったらどうして進学校に行かせたのか。

マージャンばかりしているから金がないのではないか。

世間体や見栄で子供を進学校に進ませたのか。

いろいろ言いたいことはありましたが、大正生まれの父は封建的で何も言えませんでした。



高校の先生に不満をぶつけた

どこにぶつけていいか分からない怒りと不満を、私は当時の担任の先生にぶつけました。

「先生、高校をやめます」

驚いた顔の担任の先生に、私はいきさつを伝えました。

ちゃまる

「ちゃまる」というニックネームを持つ小柄でことなかれ主義の物理教諭は、じっと私の話を聞いて、私の話が終わると、私にこう言いました。

「そうか。事情は分かった。同情する。でも高校は卒業したほうがいい。絶対に高校は卒業したほうがいい」



私の反論

私は反論しました。

「大学進学の道が閉ざされたいじょう、この高校にいる意味がありません。早く社会に出たほうがいろいろと経験を積めると思います」

私は理路整然と反論しましたが、本心は先生に不満を聞いてほしかったのです。

ちゃまるの助言

「ちゃまる」は私の話を黙って聞き、そしてこう言いました。

「お前のいう通りだ。でも高校はやめるな。絶対にやめないほうがいい」

「どうしてやめないほうがいいのか、その理由を言ってください」

しばらく考えていた「ちゃまる」は私にこう言いました。



俺を信じて学校に残れ

「うまく言えない。でもきっと後になって高校を中退しなくて良かったと思う時が来る。俺を信じて学校に残れ」

「ちゃまる」は真剣な顔で、その目は私を育むような優しい目でした。

私は「ちゃまる」の言うことは理屈に合わないと思いましたが、もう少しこの高校に居てみようかと思いました。

当時の道立高校の学費はとても安く、自分のアルバイト料で払えました。

ラグビーばっかり

それ以降、私はラグビーばっかりやりました。進学校であるにも関わらず私の高校は札幌大会で2位まで登り詰めました。

当時は札幌清田高校が飛びきり強く、まったく歯が立ちませんでしたが、今まで絶対勝てなかった強豪、北海道工業高校に僅差で勝ち、他の高校には圧倒的大差で勝って達成感はありました。



温情で卒業させてもらった

勉強は全然しなかったので、ほとんどの科目は落第点でしたが、「ちゃまる」が手を回してくれたのか分かりませんが、温情で卒業させてもらいました。

勉強が全然できないのに、私は不思議と多くの先生に可愛いがられました。古文の先生なんかは、私に「徒然草を読め、読んで感想を言えば2をやる(5段階評価の2、1は落第)」と言い、本までくれました。

卒業式の後、私の靴箱には分厚い新約聖書が入っていました。きっとあの厳しい英語の先生がこっそり入れてくれたのだと思いました。

高校卒業後

私は高校卒業後、東京に出て飲食店に勤めましたが陰湿なイジメにあって仕事をやめ、その後はフラフラしていました。しかしあることがきっかけで一大決心し、飲まず食わずで1年勉強して東京のそこそこの大学に合格しました。

その後のいきさつは他の投稿に書いた通りです。

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高校を中退しなくて良かった

「ちゃまる」の言う通り、高校を中退しなくて良かったと思いました。

「ちゃまる」のおかげで、今の私があるのです。

先生には心から感謝しております。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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